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月刊事業承継M&Aレポート
2017年7月のM&A件数は270件であり前年同月比25.0%増であった。マーケット別ではIN-INが180件、前年同月比23.3%増、IN-OUTは65件、前年同月比14.0%増、またOUT-INは25件、前年同月比92.3%と大幅増となった。このうち公表された事業承継M&Aは22件(注参照)であり、前月に続いて製造業に係わるケースが多く11件を占めた。
接着剤大手のコニシは、建設工事、土木工事企画、設計、施工の角丸建設(静岡県藤枝市)を買収した。社長等7人から全株式を取得した。一部報道では金額は数十億円。同社は売上高50億5000万円。東海地方を中心に建築工事、リノベーション工事、土木工事の3事業を展開し、高い技術力を有する。コニシグループは土木建設を成長戦略の柱と位置付け、強化に取り組んでいる。その一環。グループの補修・改修・耐震・補強工事に関する材料・工法・施工能力と全国に展開する営業ネットワークを活用することで、シナジーを発揮し収益拡大を目指す。
検査用光源装置製造のインターアクションは、歯車試験機メーカーの東京テクニカル(東京都)を買収した。代表取締役等から全株式を取得した。同社は売上高約8億800万円。自動車部品などの電子機器や工業製品などで用いられる歯車の製造に欠かせない接触型の検査装置を製造・販売する。高精度な測定を強みとする。インターアクションは自動運転などのIoT技術の進化に伴う成長市場における精密検査機器分野での競争優位性を高める。自社の光学センサー技術と東京テクニカルの接触センサー技術の活用による相乗効果と、それに伴うインダストリー4.0へ対応した事業拡大を目指す。
今月の大型M&Aに目を向けると、複合機メーカーのコニカミノルタが官民ファンドの産業革新機構と共同で、乳がん、大腸がんなど遺伝子診断事業の米アンブリー・ジェネティクスを買収すると発表し、話題となった。
弊社「月刊事業承継M&Aレポート」の「2017年3月の事業承継M&Aマーケット概況 ~製造業によるM&A~」においては、「IoT、AIなどの普及が進む中で企業規模に関わらず技術を巡るM&Aは増えていくものと考えられる。」と述べたが、今後も同様の傾向が続くものと思われる。
(注)M&A件数は、株式会社レコフデータがニュース・リリース等公表資料などから集計しているデータによる IN-IN : 日本企業同士のM&A IN-OUT: 日本企業が当事者1(買い手)、外国企業が当事者2(売り手)となるM&A OUT-IN: 外国企業が当事者1(買い手)、日本企業が当事者2(売り手)となるM&A (注)ここでは公開情報から収集した「売り手の経営者や個人株主が株式の大半あるいは一定規模を売却した案件(オーナー系企業売却案件)」を事業承継M&Aと定義。 ただ、事業承継M&Aは捕捉不可能な未上場企業同士の非公開案件が多く、実際の件数はこの数倍と言われている。 (注)公表ベースでデータを収集しており、未完了案件を含む。
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