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月刊事業承継M&Aレポート
2017年8月のM&A件数は284件であり前年同月比29.%増であった。マーケット別ではIN-INが199件、前年同月比19.9%増、IN-OUTは64件、前年同月比60%増、またOUT-INは21件、前年同月比50%増となった。このうち公表ベースの事業承継M&Aは20件(注参照)であり、この中で建設に関連する業界のM&Aは4件あった。
ミライト・ホールディングスは、傘下で情報通信機器・設備建設・保守管理のミライト・テクノロジーズ(大阪市)を通じて、電気設備工事、空調設備工事などの西日本電工(熊本市)を買収した。経営陣から99.1%の株式を取得した。同社は売上高21億800万円、従業員28人。ミライト・テクノロジーズグループは「総合エンジニアリング&サービス会社」を目指している。施工体制の強化、ビル・エネルギー分野の事業拡大を図る。
安江工務店は、住宅リフォーム・リノベーション、住宅新築などのN-Basic(神戸市)を買収する。社長等2人から全株式を取得する。同社は住宅リフォーム事業を自然素材を多用してサービス提供する。リピート受注と顧客からの紹介受注により地域に密着して展開している。安江工務店は両社が培ってきた自然素材を前面に打ち出した住宅リフォームについての提案力やデザイン性、施工ノウハウの共有、共同仕入れでの原価の低減などにより売上、利益の拡大を目指す。
この他、建設関連業界では、ワキタが建設機械賃貸、販売の泉リース(埼玉県所沢市)を買収した。社長等3人から全株式を取得した。同社は売上高3億9400万円。所沢市を中心とした近隣地区の建設会社を対象に、建設機械の賃貸、販売などの建機事業を展開している。ワキタは既存の拠店との連携による埼玉県を含めた首都圏でのシナジー効果を見込む。
東日本大震災からの復興や2020年の東京オリンピック開催に向けた建設需要等により、日本の建設投資は回復傾向にあるが、最近では人手不足を背景に経営が厳しくなる企業も少なくないと伝えられている。就業者の高齢化が進展していることやオリンピック終了後に公共投資が減少するという見方もあり、今後も建設に関連する業界のM&Aは活発に行われるものと考えられる。
(注)M&A件数は、株式会社レコフデータがニュース・リリース等公表資料などから集計しているデータによる IN-IN : 日本企業同士のM&A IN-OUT: 日本企業が当事者1(買い手)、外国企業が当事者2(売り手)となるM&A OUT-IN: 外国企業が当事者1(買い手)、日本企業が当事者2(売り手)となるM&A ここでは公開情報から収集した「売り手の経営者や個人株主が株式の大半あるいは一定規模を売却した案件(オーナー系企業売却案件)」を事業承継M&Aと定義。 ただ、事業承継M&Aは捕捉不可能な未上場企業同士の非公開案件が多く、実際の件数はこの数倍と言われている。 公表ベースでデータを収集しており、未完了案件を含む。
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