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月刊事業承継M&Aレポート
2017年10月のM&A件数は272件であり、前年同月比12.9%増であった。マーケット別ではIN-INが201件、前年同月比21.8%増、一方、IN-OUTは52件、前年同月比11.9%減、またOUT-INは19件で、前年同月比11.8%増となった。このうち公表ベースの事業承継M&Aは21件(注参照)あり、3件が介護サービス分野のM&Aだった。
センコーグループホールディングスは、傘下のセンコー(大阪府)を通じて、介護サービス事業のビーナス(大阪府)を買収した。全株式を取得した。同社は従業員715人。主に高齢者の介護予防サービス事業を行っている。フィットネス型半日デイサービスやリハビリ型入浴付半日デイサービス、訪問看護などを大阪府内で計43施設を運営している。センコーグループHDは2016年10月にけいはんなヘルパーステーション(奈良県)を買収し、ライフサポート事業を進めてきた。介護関連サービスの充実化を図り、事業の強化と拡大を目指す。ビーナスは未進出エリアへの出店など、事業拡大を進める。
ソラストは、介護サービス事業の日本ケアリンク(東京都)を買収する。同社代表取締役、ジャフコが運営するジャフコ・スーパーV3共有投資事業有限責任組合(同)などから20億1500万円で99.8%の株式を取得する。日本ケアリンクは売上高42億4500万円。首都圏でグループホームや小規模多機能型居宅介護を中心に23拠点で39事業所を運営している。ソラストの関東圏での事業所数は217カ所となる。日本ケアリンクの施設系を中心としたサービスと自社の在宅系サービスを有機的に結びつけることで、「地域トータルケア」の実現を図る。売上高1000億円の早期達成を目指す。
この他、介護施設運営のエフビー介護サービス(長野県)は、新潟県見附市を中心にデイサービス事業や高齢者向けアパート等を展開する生活サポーターふるまい(新潟県)を買収したと伝えられた。エフビー介護サービスは長野県を中心に群馬県や埼玉県で事業を展開しており、従業員数はふるまいを含め約1800人となる。
2018年度は3年に1度の介護報酬改定が実施される。前回2015年度の改定では2%を超えるマイナス改定が行われたことに加え、人手不足による人件費の増加や競争の激化等により、厳しい経営環境にある介護事業者も少なくない。2018年度の介護報酬の改定率の方針についてはこれから議論が始まるところだが、さらなるマイナス改定となった場合、その影響は小さくないと思われ、経営体質の強化などを目的としたM&Aが増加するものと考えられる。
(注)M&A件数は、株式会社レコフデータがニュース・リリース等公表資料などから集計しているデータによる IN-IN : 日本企業同士のM&A IN-OUT: 日本企業が当事者1(買い手)、外国企業が当事者2(売り手)となるM&A OUT-IN: 外国企業が当事者1(買い手)、日本企業が当事者2(売り手)となるM&A ここでは公開情報から収集した「売り手の経営者や個人株主が株式の大半あるいは一定規模を売却した案件(オーナー系企業売却案件)」を事業承継M&Aと定義。 ただ、事業承継M&Aは捕捉不可能な未上場企業同士の非公開案件が多く、実際の件数はこの数倍と言われている。 公表ベースでデータを収集しており、未完了案件を含む。
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