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月刊事業承継M&Aレポート
2018年7月公表のM&A件数は310件あり、前年同月比14.8%増であった。マーケット別ではIN-INが227件、前年同月比26.1%増、IN-OUTは69件、前年同月比6.2%増となった。一方、OUT-INは14件で、前年同月比44.0%減少した。このうち公表ベースの事業承継M&Aは36件(注参照)あり、このうちベンチャー企業を対象としたM&Aが2件あった。
ヤフーは、料理動画レシピサービス「クラシル」を提供するベンチャーのdely(東京都)を買収する。現在、子会社のYJ2号投資事業組合(同)を通じて、15.9%保有している。個人株主3名の他、投資会社などから93億2200万円で29.6%の株式を取得し、出資比率を45.6%に高める。取締役の過半を派遣し、連結子会社化する。delyは売上高2億8900万円。ヤフーは食やレシピに関わる様々な領域で戦略的パートナーシップを構築する。自社のメディア・コマース関連サービスなどの利用者が「クラシル」のコンテンツを利用しやすい取り組みを進め、ユーザー体験の向上を図る。
ベクトルは、人事評価クラウド事業ベンチャーのあしたのチーム(東京都)を買収する。現在、香港全額出資子会社のVector Group International Limitedを通じて2.8%保有している。あしたのチームの会長がほかの株主から株式を取得したうえで、同会長から32億5800万円で51.3%の株式を取得し、出資比率を54.1%に高める。あしたのチームは2008年設立、売上高約27億6000万円。全国47都道府県に拠点を持つ。中小企業を中心に1300社以上に人事評価制度の構築・運用サポートを提供する。ベクトルは2015年にあしたのチームに資本参加した。経営も含めたサポートを行うことで、同社の新たな段階の成長を実現する。
ベンチャー企業を対象とするM&Aは年々増加しており、2017年のベンチャー企業M&Aの件数は880件と、2012年の88件から5年間で10倍となった。また、2018年上半期(1-6月)は604件で年換算では約1200件となり、2018年も過去最多になりそうな勢いである。日本では従来、起業家の資金回収はIPOが主であったが、最近ではM&Aも有効な出口の選択肢の1つとして捉える起業家が増えているという。このような起業家の意識の変化を背景に、今後、ベンチャー企業が対象の事業承継M&Aも増えていくことが考えられる。
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