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2018年8月の事業承継M&Aマーケット概況 ~地方都市を本拠地とする大手・有力スーパーのM&A~

月刊事業承継M&Aレポート

2018.10.01

2018年8月公表のM&A件数は359件あり、前年同月比26.4%増であった。マーケット別ではIN-INが259件、前年同月比30.2%増、IN-OUTは79件、前年同月比23.4%増となった。また、OUT-INは21件で、前年同月と同水準だった。このうち公表ベースの事業承継M&Aは58件(注参照)あり、このうち地方都市を本拠地とする大手・有力スーパーのM&Aが2件あった。

スーパマーケット運営のマエダ(青森県むつ市)は、同業のみなとや(同県八戸市)を9月29日付で買収する。全株式を取得する。みなとやは1959年設立、売上高44億5700万円、従業員257人。八戸市で9店舗を展開する。マエダは同294億4400万円、同1271人で、30店舗を展開する。事業拡大のため、青森県内の出店政策を検討していた。みなとやの運営体制や事業基盤を強固にし、シナジー効果を発揮させる。顧客の利便性向上を図る。

バローホールディングスは、食品スーパーのフタバヤ(滋賀県長浜市)を買収した。代表取締役等から全株式を取得した。バローHDの取締役が社長に就く。フタバヤは売上高48億6200万円。滋賀県湖北・湖東地域で3店舗を経営する。青果・惣菜部門の売り場展開、販売力に強みをもつ。バローHDは滋賀県に14店舗を展開しており、フタバヤの販売ノウハウを同地域の店舗に波及させ、競争力を高める。生鮮・惣菜部門の商品力を強化することで、スーパーマーケット事業全体の収益改善につなげる。

少子高齢化の進展や都市部への人口集中等による地方の市場の縮小のほか、生鮮や食品類の取り扱いを強化するドラッグストア等との競合の激化により、地方スーパーを取り巻く経営環境は厳しさを増している。また、中堅・中小規模のスーパーでは後継者不足等の問題も顕在化しているといい、生き残りを賭け、同業や異業種の他社との経営統合や事業承継M&A等に踏み切る地方スーパーが増えていくと考えられる。



(注)M&A件数は、株式会社レコフデータがニュース・リリース等公表資料などから集計しているデータによる

IN-IN : 日本企業同士のM&A

IN-OUT: 日本企業が当事者1(買い手)、外国企業が当事者2(売り手)となるM&A

OUT-IN: 外国企業が当事者1(買い手)、日本企業が当事者2(売り手)となるM&A

ここでは公開情報から収集した「売り手の経営者や個人株主が株式の大半あるいは一定規模を売却した案件(オーナー系企業売却案件)」を事業承継M&Aと定義。

ただ、事業承継M&Aは捕捉不可能な未上場企業同士の非公開案件が多く、実際の件数はこの数倍と言われている。

公表ベースでデータを収集しており、未完了案件を含む

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