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月刊事業承継M&Aレポート
2020年4月公表のM&A件数は298件で、前年同月比28.9%の減少となった。マーケット別ではIN-INが237件で前年同月比23.3%減、IN-OUTは44件、同49.4%減、OUT-IN は17件で同26.1%減だった。前年同月比28.9%減は新型コロナ発生によるM&A検討の一時中断などが主な要因と考えられるが、前年同月(2019年4月)の件数が月間としては過去最多の419件であった反動も一因と思われる。このうち公表ベースの事業承継M&Aは49件(注1参照)であった。前月(2020年3月)に続いて専門商社に関連するケースが多く件数は9件であった。
情報通信コンサルティングのフォーバルは、オフィス機器、オフィス家具、文房具用品販売・保守のえすみ(島根県雲南市)を買収した。経営陣から全株式を取得した。同社は1951年設立、売上高16億9100万円。オフィス家具の販売、オフィス設計・施工、オフィス機器の販売・保守、オフィスサプライ・消耗品の販売、ネットワークインフラの設計・構築・保守などの業務を行っている。東芝テックの中核代理店としてレジなどの販売を行うテック販売山陰(松江市)を子会社に有する。フォーバルは山陰地域の顧客基盤を獲得する。中核事業のアイコンサービスの潜在顧客の増加にもつなげる。
酒類小売のカクヤスは業務用酒類販売のサンノー(福岡市)を買収する。個人から全株式を取得する。同社は2005年設立。福岡市を中心に業務用の酒類販売、繁華街型業務用酒類小売「リカーズABC」を運営している。カクヤスは九州地方への展開の足掛かりとし、国内事業の拡大につなげる。収益基盤の拡大、強化を図る。
鉄鋼・金属商社の阪和興業は、子会社で鉄鋼・鉄鋼加工品卸などの大鋼産業(大阪市)を通じて、鋼材卸の竜田鋼業(大阪府八尾市)を買収した。社長から全株式を取得した。竜田鋼業は関西地区で主に鉄筋材を地域のゼネコン(総合建設業)、鉄筋加工業者向けに販売する特約店。阪和興業グループが推進する「そこか(即納・小口・加工)」機能拡充の一端を担うこととなる。
専門商社にとってM&Aは商圏拡大や事業領域拡大などを目指す重要な手段になっている様子が窺える。
(注1)M&A件数は、株式会社レコフデータがニュース・リリース等公表資料などから集計しているデータによる IN-IN:日本企業同士のM&A IN-OUT:日本企業が当事者1(買い手)、外国企業が当事者2(売り手)となるM&A OUT-IN:外国企業が当事者1(買い手)、日本企業が当事者2(売り手)となるM&A ここでは公開情報から収集した「売り手の経営者や個人株主が株式の大半あるいは一定規模を売却した案件(オーナー系企業売却案件)」を事業承継M&Aと定義。 ただ、事業承継M&Aは捕捉不可能な未上場企業同士の非公開案件が多く、実際の件数はこの数倍と言われている。 公表ベースでデータを収集しており、未完了案件を含む。
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