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月刊事業承継M&Aレポート
2020年5月公表のM&A件数は245件で、前年同月比26.4%の減少となった。マーケット別ではIN-INが193件で前年同月比20.2%減、IN-OUTは35件、同51.4%減、OUT-IN は17件で同10.5%減だった。4月に続く2カ月連続での大幅減少は新型コロナ発生によるM&A検討の一時中断などが主な要因と考えられる。このうち公表ベースの事業承継M&Aは42件(注1参照)であり、このうち建設業界に関連する件数が5件あった。
注文住宅メーカーのLib Workは、宅地分譲、分譲住宅販売のタクエーホーム(横浜市)を買収する。代表取締役等2人から4億円で全株式を取得する。同社は売上高約23億6700万円。神奈川県を中心に戸建て建売販売事業を展開する。Lib Workは自社の強みであるWEBマーケティング力、営業力、採用力を補完することができ、事業基盤が強化されると判断した。関東圏への営業エリア拡大を進める。タクエーホーム協力業社会の協力を得ながら施工体制を強化しつつ、規模のメリットを生かし、グループ全体の原価コスト削減を実現する。
白蟻防除のアサンテは、建築・リフォーム事業のハートフルホーム(札幌市)を買収する。代表取締役から全株式を取得する。同社は1975年設立、売上高約8億8000万円。金属サイディングによる外壁リフォームを主軸とした建築リフォーム業を行っている。札幌市を拠点として道内で一般住宅・アパート・店舗などを対象に営業展開し、外壁リフォーム業界では道内トップクラスの実績、信用力を有する。アサンテは北海道に拠点を持つことで、サービス分野の拡充と営業エリアの拡大を進める。ハートフルホームの外壁リフォーム工事のノウハウ、人材を活用する。事業拡大を図る。
さて、筆者がレコフM&Aデータベース((株)レコフデータ提供)により検証したところ、事業承継M&Aが増加し始めた2018年以降(2018年1月〜2020年5月)の月平均件数は48.7件であり、このうち2018年の月平均件数は45.5件であった。これらに比べて前述した2020年5月 の42件は必ずしも低い水準ではない。M&A件数全体が大きく減少する中で事業承継M&Aは比較的堅調であったといえよう。
(注1)M&A件数は、株式会社レコフデータがニュース・リリース等公表資料などから集計しているデータによる IN-IN:日本企業同士のM&A IN-OUT:日本企業が当事者1(買い手)、外国企業が当事者2(売り手)となるM&A OUT-IN:外国企業が当事者1(買い手)、日本企業が当事者2(売り手)となるM&A ここでは公開情報から収集した「売り手の経営者や個人株主が株式の大半あるいは一定規模を売却した案件(オーナー系企業売却案件)」を事業承継M&Aと定義。 ただ、事業承継M&Aは捕捉不可能な未上場企業同士の非公開案件が多く、実際の件数はこの数倍と言われている。 公表ベースでデータを収集しており、未完了案件を含む。
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