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月刊事業承継M&Aレポート
2020年8月公表のM&A件数は287件で前年同月比9.5%の減少となった。マーケット別ではIN-INが233件で前年同月比0.9%増、一方、IN-OUTは33件、同49.2%減、OUT-INは21件で前年同月と同水準であった。同月の公表ベースの事業承継M&Aは46件(注1参照)であり、この中でベンチャー企業を対象とするケースが2件含まれている。
飲食店開業者・運営者支援サイト運営のシンクロ・フード(東証1部上場)は、業務委託マッチングベンチャーのニコシゴト(東京都)を買収する。代表取締役から全株式を取得する。同社の売上高は約140万円。ブライダル業界向け副業マッチングサイト「ニコシゴトブライダル」のほか、飲食・教育など様々な業界の仕事と副業希望者をマッチングする、40歳からの副業を応援する「ニコシゴトFROM40」を展開している。シンクロ・フードはブライダル業界を含む飲食周辺領域や飲食業界を中心に、副業希望者にマッチした憧れの仕事を提供し、その他の業界でも様々な仕事の選択肢を提供する。多様な働き方の実現に貢献するとともに、事業の拡大を目指す。
働き方改革に伴うコンサルティング事業を手掛けるピアズ(東証マザーズ上場)は、総合支援事業ベンチャーのOne go One way(埼玉県)を買収する。代表取締役から2,100万円で全株式を取得する。同社の売上高は6,300万円。携帯販売代理店が抱える課題に対して独自のノウハウ、仕組みを完全移植できるワンストップコンサルティングサービスを展開している。子供向けプログラミング教育のイベント運営支援や訪日外国人向け携帯アプリによるオンライン同時通訳オペレーター事業の支援なども行っている。ピアズは「働き方革新」への取り組みを推進する。
2020年の事業承継M&Aの中でベンチャー企業を対象とするケースは18件であった。このうち設立が2018年以降のベンチャー企業は7件であり、前述したニコシゴト、One go One wayも2018年の設立である。
最近では株式上場ではなく規模の大きな企業に自社を売却し、売却先との協業や売却先からの支援によって自社の成長を図ろうとするベンチャー企業のオーナーが増えているとの見方もあり、事業承継M&Aの背景は多様化しつつある。
(注1)M&A件数は、株式会社レコフデータがニュース・リリース等公表資料などから集計しているデータによる IN-IN:日本企業同士のM&A IN-OUT:日本企業が当事者1(買い手)、外国企業が当事者2(売り手)となるM&A OUT-IN:外国企業が当事者1(買い手)、日本企業が当事者2(売り手)となるM&A ここでは公開情報から収集した「売り手の経営者や個人株主が株式の大半あるいは一定規模を売却した案件(オーナー系企業売却案件)」を事業承継M&Aと定義。 ただ、事業承継M&Aは捕捉不可能な未上場企業同士の非公開案件が多く、実際の件数はこの数倍と言われている。 公表ベースでデータを収集しており、未完了案件を含む。
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