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月刊事業承継M&Aレポート
2021年1月公表のM&A件数は253件で前年同月比13.9%の減少となった。マーケット別ではIN-INが204件で前年同月比2.9%減、IN-OUTは35件、同50.0%減、また、OUT-INは14件で前年同月と同水準であった。1月の公表ベースの事業承継M&Aは33件(注1参照)であり、この中には大手石炭及び石油会社による事業領域拡大に向けた例がみられた。
三井松島ホールディングスは、住宅、家具向け金物、プラスチック製品企画・製造・販売のシステックキョーワ(大阪市)を買収する。個人から全株式を取得する。同社は1987年設立、売上高14億8500万円。新築住宅や住まいのリフォームなどで使用される巾木用コーナーキャップ、ドアストッパーなどの住宅関連部材市場で高いシェアを誇る。企画から金型、成形、組立までグループ内で一貫生産できること、直販体制による中間マージンを排した価格競争力のある商品を提供できることなどを強みとする。三井松島HDは非石炭生産事業へ投資していく方針を掲げている。その一環。
出光興産は、自立支援型デイサービスチェーン運営のQLCプロデュース(東京)を4月1日付で買収する。既存株主から全株式を取得する。同社は1997年設立。介護事業を包括的に連携・サポートする仕組みづくりに取り組み、直営、FC合わせ全国163事業所で自立支援型デイサービスを展開している。出光興産は地域に根差した経営を行う系列特約販売店の強みを活かした新規事業のひとつとして、介護ビジネスを展開する。系列特約販売店の事業多角化を支援する。新たな介護保険適用事業への参入や介護保険適用外の高齢者向けサービスの開発にも取り組む。
さて、1月の事業承継M&A件数(33件)は、前年同月の47件に比べて29.8%の減少となった。やはり、感染拡大や緊急事態宣言再発令によるM&A実務への影響は小さくないようである。足元、こうした状況は継続すると思われる。
(注1)M&A件数は、株式会社レコフデータがニュース・リリース等公表資料などから集計しているデータによる IN-IN:日本企業同士のM&A IN-OUT:日本企業が当事者1(買い手)、外国企業が当事者2(売り手)となるM&A OUT-IN:外国企業が当事者1(買い手)、日本企業が当事者2(売り手)となるM&A ここでは公開情報から収集した「売り手の経営者や個人株主が株式の大半あるいは一定規模を売却した案件(オーナー系企業売却案件)」を事業承継M&Aと定義。 ただ、事業承継M&Aは捕捉不可能な未上場企業同士の非公開案件が多く、実際の件数はこの数倍と言われている。 公表ベースでデータを収集しており、未完了案件を含む。
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