平日9:00〜18:00
月刊事業承継M&Aレポート
2021年9月公表のM&A件数は356件となり前年同月比で25.4%の増加となった。マーケット別にみるとIN-INは263件、前年同月比15.4%増、IN-OUTは53件、同65.6%増、また、OUT-INは40件、同66.7%増となった。このうち事業承継M&A(注1参照)は65件で月間としては過去4番目の水準となり、前年同月比では38.3%増加した。
この中で化学、非鉄・金属製品、電機といった素材型・加工型の製造業を対象とするM&Aが5件あった。
ウッドプラスチック製パレット製造・販売のウッドプラスチックテクノロジー(鳥取県)は、PPバンドなど製造のグリーンプラ(東京都)を買収した。代表取締役から株式を取得した。同代表取締役はウッドプラスチックテクノロジーの第三者割当増資を引き受けた。グリーンプラは昭和電工のPPバンド部門として創業された。使用済みPPバンドを回収、リサイクルした再生PPバンド「グリーンライトバンド」を発売し、水平リサイクルの普及に取り組んでいる。ウッドプラスチックテクノロジーはバイオマス入り再生プラスチックを原料として、敷板やパレットを製造販売している。両社は事業拡大を促進する。
建設資材販売などのコンドーテック(東証1部上場)は、アルミ押出型材など製造開発の栗山アルミ(名古屋市)を買収する。個人3人から75.7%の株式を取得する。コンドーテックの石橋執行役員が社長に就く。栗山アルミは1958年設立、売上高13億8,200万円。アルミ押出型材の分野で、東海地方を中心に輸送機器、土木建築、金属製品、電気通信、産業機械関係の製造業者など幅広い顧客基盤を構築している。コンドーテックはアルミ商材をグループの取扱商材に含めることを通じて、グループの持続的成長と中長期的な企業価値向上の実現を図る。
AKIBAホールディングス(ジャスダック上場)は、傘下でメモリ製品製造・販売などのアドテック(東京都)を通じて、電子機器(電子回路など周辺機器類)、周辺部品開発・設計・製造のシーアールボックス(東京都)を買収する。社長から自己株式を除く全株式を取得する。同社長は続投する。同社は2000年設立、売上高約2億4,200万円。各種マイコンユニット、電源モジュールなど電子回路の開発・設計・製造を手掛ける。各種産業機器、医療機器向けなどで使用される電源のカスタム設計に強く、各種センサーの開発技術を有する。アドテックは販路、調達先を共有し、新規顧客の開拓、調達力の強化を図る。
レコフM&Aデータベース((株)レコフデータ提供)によると、2021年1~9月、化学、非鉄・金属製品、電機に属する企業を対象とするM&Aは40件あり、各案件の目的などをみると「技術」というワードが目立った。技術進歩のスピードは著しくアップしていると言われており、製造業においては互いの生産・技術ノウハウを共有し、機動的な新事業・新製品を開発するためのM&Aが増加していくと考えられる。
(注1)M&A件数は、株式会社レコフデータがニュース・リリース等公表資料などから集計しているデータによる IN-IN:日本企業同士のM&A IN-OUT:日本企業が当事者1(買い手)、外国企業が当事者2(売り手)となるM&A OUT-IN:外国企業が当事者1(買い手)、日本企業が当事者2(売り手)となるM&A ここでは公開情報から収集した「売り手の経営者や個人株主が株式の大半あるいは一定規模を売却した案件(オーナー系企業売却案件)」を事業承継M&Aと定義。 ただ、事業承継M&Aは捕捉不可能な未上場企業同士の非公開案件が多く、実際の件数はこの数倍と言われている。 公表ベースでデータを収集しており、未完了案件を含む。
M&Aのことなら、
お気軽にご相談ください。
お電話で
お問い合わせ
営業時間 / 平日9:00〜18:00