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月刊事業承継M&Aレポート
2021年11月の件数は340件で、前年同月比3.7%の増加となった。マーケット別ではIN-INが255件、前年同月比2.3%減であったが、IN-OUTは56件、同30.2%増、また、OUT-INは29件、同20.8%増であった。同月の事業承継M&A(注1参照)は59件で、この中で小売り業を巡るM&Aが6件あり、うち食品スーパーを売り手とするケースが3件含まれた。
石川県を本拠地とするドラッグストアのクスリのアオキホールディングス(東証1部上場)は、スーパーマーケット運営などの一二三屋(福島県いわき市)を2022年3月に買収する。代表取締役等3人から全株式を取得する。そして取得した日にクスリのアオキホールディングス子会社のクスリのアオキが吸収合併する。同社は1990年設立、売上高24億7000万円。食品スーパーを4店舗を展開している。クスリのアオキHDは食品スーパーの持つ新鮮な食材の品揃えとドラッグストアの持つヘルス&ビューティーや日用品の品揃え、処方箋を取り扱う調剤薬局を組み合わせる。東北地区でのドミナントを強化する。
また、岐阜県を本拠地とする有力スーパーのバローホールディングス(東証1部上場)は、食品スーパー運営の八百鮮(大阪府大阪市)を買収した。全株式を取得した。同社は2010年設立。生鮮スーパー「八百鮮」を大阪市と名古屋市で計6店舗展開している。小規模な店舗での生鮮品販売に強みを持つ。バローHDは生鮮品を強化する。
バローホールディングスは、さらに食品スーパー運営のヤマタ(大阪府吹田市)を買収した。全株式を取得した。同社は1989年設立。生鮮スーパー「たこ一」を大阪府内で計7店舗展開している。小規模な店舗での生鮮品販売に強みを持つ。バローHDは生鮮品を強化する。
食品スーパー業界では、イオンやセブン&アイ・ホールディングスそれぞれの食品スーパー子会社群を1社とみなした場合でも、上位10社の市場シェアは50%に満たないと言われており市場の寡占度は低い。人口減少の進展が予想される中、今後も経営の効率化などを目的に、食品スーパーを巡る事業承継M&Aや業界再編に向けた動きは続くと考えられる。
(注1)M&A件数は、株式会社レコフデータがニュース・リリース等公表資料などから集計しているデータによる IN-IN:日本企業同士のM&A IN-OUT:日本企業が当事者1(買い手)、外国企業が当事者2(売り手)となるM&A OUT-IN:外国企業が当事者1(買い手)、日本企業が当事者2(売り手)となるM&A ここでは公開情報から収集した「売り手の経営者や個人株主が株式の大半あるいは一定規模を売却した案件(オーナー系企業売却案件)」を事業承継M&Aと定義。 ただ、事業承継M&Aは捕捉不可能な未上場企業同士の非公開案件が多く、実際の件数はこの数倍と言われている。 公表ベースでデータを収集しており、未完了案件を含む。
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