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月刊事業承継M&Aレポート
2022年7月のM&A件数は336件で、前年同月比2.6%の減少となった。マーケット別ではIN-INが272件で前年同月と同数、IN-OUTは50件、同8.7%増、、一方、OUT-IN は14件、同48.1%減であった。同月の事業承継M&A(注1参照)は38件、前年同月比26.9%減であった。
筆者がレコフM&Aデータベース((株)レコフデータ提供)で確認したところ、2022年1-7月の投資会社買い手の事業承継M&A件数は42件であり、前年同期(32件)に比べて31.3%増加していた。7月も5件の案件があり、以下ではこのうちの2件を紹介したい。
京都銀行が出資し、京銀リース・キャピタル(京都市)が運営する京銀Next Stage2021ファンド投資事業有限責任組合(同)は、酒造メーカーの月桂冠(同)の大邊誠元取締役らと設立した夢酒蔵(同)を通じて、清酒「竹生嶋」醸造の吉田酒造(滋賀県高島市)を買収した。全株式を取得した。吉田肇代表取締役は会長に就き、大邊氏が社長に就く。同社は1877年創業。事業承継課題があった。夢酒蔵は地域に根差した酒蔵の事業承継・継続に関する課題に対して、後継者確保や技術的アドバイス・設備投資などを行う。経営改善を行い、持続的な成長を支援する。
あおぞら銀行と日本アジア投資(JAIC)の折半出資会社のAJキャピタル(東京)が運営するサクセッション1号投資事業有限責任組合(同)は、管工事・水道施設工事のモチダ(鳥取県米子市)に投資した。同社は1951年創業。鳥取県や米子市、鳥取県西部の官公庁や地元民間企業を中心に営業基盤と知名度を有する。公共施設や店舗、工場、住宅などを対象とする管工事に強みを持ち、米子市入札参加者格付Aランクを40年以上維持している。後継者が不在だった。AJキャピタルは内部管理体制構築とあおぞら銀行、JAICの有する顧客基盤を活用した支援を併せて実施し、次世代への円滑な事業承継を進める。
事業承継M&A市場における投資会社の存在感は益々高くなっていると考えられる。
(注1)M&A件数は、株式会社レコフデータがニュース・リリース等公表資料などから集計しているデータによる IN-IN:日本企業同士のM&A IN-OUT:日本企業が当事者1(買い手)、外国企業が当事者2(売り手)となるM&A OUT-IN:外国企業が当事者1(買い手)、日本企業が当事者2(売り手)となるM&A ここでは公開情報から収集した「売り手の経営者や個人株主が株式の大半あるいは一定規模を売却した案件(オーナー系企業売却案件)」を事業承継M&Aと定義。 ただ、事業承継M&Aは捕捉不可能な未上場企業同士の非公開案件が多く、実際の件数はこの数倍と言われている。 公表ベースでデータを収集しており、未完了案件を含む。
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