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月刊事業承継M&Aレポート
2022年12月のM&A件数は352件で13.1%の減少となった。マーケット別ではIN-INが267件で前年同月比18.1%減、一方、IN-OUTは56件、同3.7%増、OUT-IN は29件で同16.0%増だった。同月の事業承継M&A(注1参照)は79件で前年同月(59件)に比べて33.9%増加した。月間では2022年3月の87件に次ぐ過去2番目の水準となった。
事業承継M&Aの2022年1~12月累計件数は748件となり、2021年の642件から16.5%増加し最多を更新した。また同年、1,000億円規模の大型案件が公表されたことで金額(買収金額等の合計)も9,639億円となり過去最高だった。
個別の事例をみていくと、経営者の高齢化に伴う後継者問題の解決だけではなく、経営者の早期リタイアや、大手・有力企業などの傘下に入り成長を目指すケースが散見されており、売り手側の目的は多様化しつつある。
また、M&Aにおける主要な買い手は事業会社だが、最近では事業承継M&Aを通じて中堅・中小企業を支援する投資会社の設立も増加している。
景気や企業業績、金利情勢などの先行き不透明感が増しており、これにより買い手側の姿勢が慎重になる可能性はある。ただ、人手不足や国内成長鈍化、企業間競争の激化、商品等ライフサイクルの短期化、また、AI等イノベーションの進展など事業環境は大きく変化しており、買収等によって経営基盤を強化しようとするモチベーションは高い状況が続くと予想される。リーマン・ショック(2008年)直後のような景気や企業業績の底割れが発生しなければ、買い手の意向に与える影響は限定的であろう。
人口動態による影響が深刻になる中で事業承継M&Aのニーズは今後も拡大すると思われ、2023年も事業承継M&A市場は活況な状況が継続すると考えられる。
(注1)M&A件数は、株式会社レコフデータがニュース・リリース等公表資料などから集計しているデータによる IN-IN:日本企業同士のM&A IN-OUT:日本企業が当事者1(買い手)、外国企業が当事者2(売り手)となるM&A OUT-IN:外国企業が当事者1(買い手)、日本企業が当事者2(売り手)となるM&A ここでは公開情報から収集した「売り手の経営者や個人株主が株式の大半あるいは一定規模を売却した案件(オーナー系企業売却案件)」を事業承継M&Aと定義。 ただ、事業承継M&Aは捕捉不可能な未上場企業同士の非公開案件が多く、実際の件数はこの数倍と言われている。 公表ベースでデータを収集しており、未完了案件を含む。
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