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月刊事業承継M&Aレポート
7月のM&A件数は321件で前年同月比4.5%減となった。マーケット別ではIN-INが253件で前年同月比7.0%減、一方、IN-OUTは51件、同2.0%増、また、OUT-INは17件、同21.4%増であった。同月の事業承継M&A(注1参照)は53件で前年同月(45件)に比べて17.8%増加した。この中で廃棄物処理・解体工事関連の企業によるM&Aが4件あった。
東証プライム上場でプラント解体工事のベステラ(東京都)は、各種プラント建設、メンテナンス工事などのオダコーポレーション(岡山県)を買収する。社長等5人から全株式を取得する。同社は1985年設立、売上高10億5900万円。岡山県倉敷市を拠点として、石油精製装置、化学装置など各種プラントの建設、メンテナンス工事と躯体工事で実績を有する。子会社ではマンションや商業ビルに対して、大規模修繕事業を展開している。ベステラはプラントを含む様々な解体・設備更新ビジネスで互いの事業リソースを組み合わせる。継続的な両社の発展につなげる。
東証プライム上場で産業廃棄物処理・管理業のミダックホールディングス(静岡県)は、砕石製造業の遠州砕石(静岡県)を買収した。代表取締役等3人から約4500万円で全株式を取得した。同社は1967年設立、売上高6600万円。地元建設・建材業者との繋がりを相応に有する。静岡県浜松市などにある土地を複数保有しており、高速道路ICに近い場所に位置している。ミダックHDは砕石製造業を継続しつつ、同社が保有する土地を有効活用する。最終処分場の開発における残土管理を内製化する。グループ内で残土の適正な処分・管理を徹底することで、施設開発でのガバナンス強化を図る。
環境保全に対する意識の高まりや、各種建造物の老朽化進展、また、少子・高齢化進展を背景とする空き家の増加などに伴い、廃棄物処理や解体工事に対するニーズは拡大すると考えられる。ニーズの拡大に対応していくため、M&Aによって規模拡大や技術力の向上などを図る動きは広がっていくと思われる。
(注1)M&A件数は、株式会社レコフデータがニュース・リリース等公表資料などから集計しているデータによる
IN-IN:日本企業同士のM&A
IN-OUT:日本企業が当事者1(買い手)、外国企業が当事者2(売り手)となるM&A
OUT-IN:外国企業が当事者1(買い手)、日本企業が当事者2(売り手)となるM&A
ここでは公開情報から収集した「売り手の経営者や個人株主が株式の大半あるいは一定規模を売却した案件(オーナー系企業売却案件)」を事業承継M&Aと定義。
ただ、事業承継M&Aは捕捉不可能な未上場企業同士の非公開案件が多く、実際の件数はこの数倍と言われている。
公表ベースでデータを収集しており、未完了案件を含む。
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