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月刊事業承継M&Aレポート
10月のM&A件数は350件で前年同月比、1.4%の減少となった。マーケット別ではIN-INが282件で前年同月比0.4%減、IN-OUTが48件、同2.0%減、また、OUT-INは20件、同13.0%減であった。同月の事業承継M&A(注1参照)は50件で前年同月(67件)に比べて25.4%減少した。この中で建設コンサルティング会社を巡るM&Aが2件あった。
航空測量の国内大手で建設コンサルタント事業も手掛けるアジア航測(東証スタンダード上場)は、建設コンサルタント、補償コンサルタントの北光コンサル(盛岡市)を買収した。個人から全株式を取得した。同社は1968年設立、売上高9億円。国や県などの行政機関、民間企業などへ、東北地域を中心にサービスを展開してきた。特に建設コンサルタントとしての森林関連業務や補償コンサルタントとしての業務で技術力を有する。両社が保有する技術を相互に活かし、東北地域の事業拡大を推進する。継続的な地域社会への貢献機会の創出を図る。
建築確認検査や住宅性能評価等を手掛けるERIホールディングス(東証スタンダード上場)は、建設コンサルタント会社のアジアコンサルタント(三重県松阪市)を買収する。個人から全株式を取得する。同社は2004年設立、売上高2億200万円。ERIHDは近畿地方での土木インフラ関連事業の体制を強化する。地域基盤整備への貢献を深める。ERIHDの「インフラ・ストック分野の事業領域拡大」、「M&Aの積極的活用」の一環。
筆者が調べたところ、全国には4,000近い業者が建設コンサルタントとして登録しており、売上上位50社について1件当たりの契約金額を試算すると増加の傾向にあった。これについては発注先が大手に集中するケースが増加した結果との見方も出ている。同業界については、業者間の価格面・技術面の競争激化、また、職員の高齢化進展とこれに対応するためのIT投資拡大の必要性等が伝えられており、建設コンサルタント会社においては経営効率化や投資資金確保に向けた資本力・規模拡大が肝要になりつつあると推察される。
(注1)M&A件数は、株式会社レコフデータがニュース・リリース等公表資料などから集計しているデータによる
IN-IN:日本企業同士のM&A
IN-OUT:日本企業が当事者1(買い手)、外国企業が当事者2(売り手)となるM&A
OUT-IN:外国企業が当事者1(買い手)、日本企業が当事者2(売り手)となるM&A
ここでは公開情報から収集した「売り手の経営者や個人株主が株式の大半あるいは一定規模を売却した案件(オーナー系企業売却案件)」を事業承継M&Aと定義。
ただ、事業承継M&Aは捕捉不可能な未上場企業同士の非公開案件が多く、実際の件数はこの数倍と言われている。
公表ベースでデータを収集しており、未完了案件を含む。
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