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月刊事業承継M&Aレポート
11月の件数は358件で、前年同月比、12.2%の増加となった。マーケット別ではIN-INが270件、前年同月比14.4%増、IN-OUT63件、同6.8%増、OUT-IN 25件、同4.2%増と、全てのマーケットで増加した。同月の事業承継M&A(注1参照)は70件で前年同月(43件)に比べて62.8%増加した。この中でアミューズメントに関連するM&Aが5件あった。
デバッグ・検証専門のなどの会社を傘下に有するポールトゥウィンホールディングス(東証プライム)の子会社で、メディア・コンテンツ業務のHIKE(東京都)は、3DCGアニメーション制作事業のしいたけデジタル(同)を買収する。代表取締役から全株式を取得する。同社は1998年設立、売上高1億3900万円。映画やテレビ、配信アニメ作品の3DCG アニメーション制作を主要事業とする。20人以上のCGアニメーターを擁する。HIKEはアニメスタジオとしての基盤を固める。今後数年に渡り受注が見込まれているアニメ制作に対応できる体制構築を進める。
アミューズメント施設運営のGENDA(東証グロース)の全額出資子会社でアミューズメント施設、飲食店施設企画・運営のGENDA GiGO Entertainment(東京都)は、アミューズメント施設「スーパーノバ」運営のワイ・ケーコーポレーション(福島県会津若松市)からアミューズメント施設運営事業を会社分割により12月下旬に譲り受ける。対価は金銭。同社は1995年創業。6店舗を保有している。GENDA GiGO Entertainmentは東北地方で展開中の店舗との人的資源の相互活用による双方の店舗運営の効率化を図る。プライズラインアップやDXにかかる知見の共有による「スーパーノバ」の売上の伸長を目指す。
写真制作・加工・販売のアスカネット(東証グロース)は、バーチャルライバー事務所「Razzプロダクション」運営ベンチャーのBE(東京都)を買収する。CEO等から4億3700万円で全株式を取得する。同社は2020年11月設立。所属Vライバーは550人を超える。アスカネットはフォトブック事業におけるオンディマンドでのモノづくりのノウハウを活かし、キャラクターグッズの企画・制作などのシナジーを発揮させる。ファンとのコミュニケーション企画やメディアミックス展開などのリソースを注ぐことで新たな成長機会を創出する。
公益財団法人日本生産性本部余暇創研によるとコロナ禍に伴う行動制限の全面解除が行われた2022年、余暇関連の市場規模は前年比12.7%増の62兆8,230億円になったという。ただ、余暇の過ごし方自体は観光旅行やドライブ、スポーツ、コンテンツ・音楽・演劇・映画鑑賞、読書、外食など多種多様である。アミューズメントを事業とする企業においては、顧客の満足度を高めるような企画力やこれに基づくサービスの拡充が肝要と考えられ、人口が減少していけばその重要性は一層高まるであろう。これに向けて企業同士がM&Aなどによる連携・補完を検討するケースは増えていくと思われる。
(注1)M&A件数は、株式会社レコフデータがニュース・リリース等公表資料などから集計しているデータによる
IN-IN:日本企業同士のM&A
IN-OUT:日本企業が当事者1(買い手)、外国企業が当事者2(売り手)となるM&A
OUT-IN:外国企業が当事者1(買い手)、日本企業が当事者2(売り手)となるM&A
ここでは公開情報から収集した「売り手の経営者や個人株主が株式の大半あるいは一定規模を売却した案件(オーナー系企業売却案件)」を事業承継M&Aと定義。
ただ、事業承継M&Aは捕捉不可能な未上場企業同士の非公開案件が多く、実際の件数はこの数倍と言われている。
公表ベースでデータを収集しており、未完了案件を含む。
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