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月刊事業承継M&Aレポート
7月の件数は374件で、前年同月比15.8%の増加となった。マーケット別ではIN-INが294件で前年同月比15.3%増、IN-OUTは57件、同11.8%増、OUT-IN は23件で同35.3%増だった。同月の事業承継M&A(注1参照)は62件であり、前年同月(59件)に比べて5.1%増加した。うち、物流関連のM&Aが4件公表された。
プライズゲーム用景品の企画・製作などのフォーサイド(東証スタンダード上場)は、一般貨物自動車運送事業、貨物利用運送事業のエム(東京都)を買収する。大島正人代表取締役から2,200万円で全株式を取得する。同社は2006年設立、売上高約7,000万円。大島氏は休眠状態であったエムの全株式を2023年9月に取得し、貨物運送事業を再開。複数の取引先と取引を行う中で貨物運送事業のノウハウを蓄積してきた。フォーサイドは新たに運送事業を開始する。物流事業に関連するデータの収集やノウハウの蓄積を実施する。運送事業者の課題解決に効果的なシステムの開発を実現する。
岐阜県を本拠地とする物流会社のエスライングループ本社は、商品保管・梱包業の拓進物流(埼玉県三郷市)を買収する。個人1人から全株式を取得する。拓進物流は1999年設立、売上高8億3,200万円。関東エリアの量販店や専門店向けの商品保管管理、ピッキング、荷作り梱包業務を一気通貫で手掛ける。エスライングループ本社はグループの配送網と連携させ、きめ細かく付加価値の高いサービスを提供する。グループ内での経営資源の連携や情報システムの共有など協業化を進める。生産性の拡大や効率化を図る。
レコフデータによると2024年1~7月、物流関連全体のM&A件数は74件で、前年同期(48件)比54.2%増となり1~7月としては過去最多となった。大手においても、ロジスティード(旧日立物流、コールバーグ・クラビス・ロバーツ投資先)によるアルプス物流(アルプスアルパインの持分法適用会社、東証プライム上場)の買収やSGホールディングスによるC&Fロジホールディングス(東証プライム上場)の買収、また、セイノーホールディングスによる三菱電機ロジスティクス(三菱電機子会社)の買収など注目を集める案件が相次いで公表されている。
物流業界では、いわゆる「2024年問題」などに伴う人手不足が深刻と言われており、今後も経営基盤の強化などに向けたM&Aは活発な状況が続くと考えられる。
(注1)M&A件数は、株式会社レコフデータがニュース・リリース等公表資料などから集計しているデータによる
IN-IN:日本企業同士のM&A
IN-OUT:日本企業が当事者1(買い手)、外国企業が当事者2(売り手)となるM&A
OUT-IN:外国企業が当事者1(買い手)、日本企業が当事者2(売り手)となるM&A
ここでは公開情報から収集した「売り手の経営者や個人株主が株式の大半あるいは一定規模を売却した案件(オーナー系企業売却案件)」を事業承継M&Aと定義。
ただ、事業承継M&Aは捕捉不可能な未上場企業同士の非公開案件が多く、実際の件数はこの数倍と言われている。
公表ベースでデータを収集しており、未完了案件を含む。
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