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2025年1月の事業承継M&Aマーケット概況 ~AI関連のM&A〜

月刊事業承継M&Aレポート

2025.02.19

 1月の件数は337件で前年同月比2.3%の減少となった。マーケット別ではIN-INが261件で前年同月比3.7%減、IN-OUTは51件で同13.3%増、OUT-IN は25件で同13.8%減だった。同月の事業承継M&A(注1参照)は72件、前年同月(74件)比2.7%の減少となった。この中にはAI関連のM&Aが5件あった。

 機械学習技術を活用したアルゴリズムモジュール開発等を行うPKSHA Technology(東証プライム上場)は、UI/UXデザイン・開発のエクストーン(東京都)を買収する。個人複数人から70%の株式を取得する。2028年3月31日までに完全子会社化する。同社は2006年設立、売上高7億5,800万円。様々な企業が展開するWebサービスやアプリなどのUI/UXデザインや開発の支援に取り組んでいる。プロジェクト毎にチームを組むことで、構想段階から開発が最適化された実装まで含めたUI/UXソリューションの提供を積み上げてきた。PKSHA TechnologyはAI Solution、AI SaaSでのUI/UX強化を通じた付加価値の向上や価値提供領域の拡張というシナジーの創出を見込む。

 教育人材支援事業などを展開するサクシード(東証グロース上場)は、教育分野特化型の生成AIプラットフォーム「スクールAI」企画、 開発、運営のみんがく(東京都)を買収する。代表取締役から2,200万円で株式を取得するほか、約7,800万円の第三者割当増資を引き受け、53.2%を取得する。アドバイザリー費用などを含めると約1億円。同社は2021年5月設立、売上高約2,000万円。「スクールAI」の企画・開発・運営を中心に、教育現場へ生成AIの導入を支援する総合教育DX推進コンサルティング事業を展開している。サクシードは生成AIを活用した新たな成長領域を取り込む。「スクールAI」の普及を加速させ、社会課題である教員の業務負担軽減や教育現場の効率化を実現する。 

 例えばコールセンター業界大手は生成AIをオペレーターの支援や通話内容の要約に活用し、業務時間を平均5割削減したという。今後は生成AIをオペレーター不足の解消などにつなげ、データ分析など付加価値の高い事業領域へシフトしていく意向と伝えられている。業種に関わらず人手不足は深刻化しており、AI関連のM&Aは増加すると思われる。


(注1)M&A件数は、株式会社レコフデータがニュース・リリース等公表資料などから集計しているデータによる
       IN-IN:日本企業同士のM&A
       IN-OUT:日本企業が当事者1(買い手)、外国企業が当事者2(売り手)となるM&A
       OUT-IN:外国企業が当事者1(買い手)、日本企業が当事者2(売り手)となるM&A

ここでは公開情報から収集した「売り手の経営者や個人株主が株式の大半あるいは一定規模を売却した案件(オーナー系企業売却案件)」を事業承継M&Aと定義。
ただ、事業承継M&Aは捕捉不可能な未上場企業同士の非公開案件が多く、実際の件数はこの数倍と言われている。
公表ベースでデータを収集しており、未完了案件を含む。

(注2)同一の「ホールディングス」によるケース、3件及び2件を含む

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