Contract interview

社員が納得出来るよう、役員全員で議論を尽くして決めたM&A。関係する誰もがハッピーになれる選択を後押ししてくれた

2024.01.19更新日:2024.01.19

写真左より:㈱エクシーズ顧問浦上様、㈱ファンリード代表取締役社長小林様

譲渡企業
株式会社エクシーズ

インタビュー概要

福岡市、北九州市、東京を拠点とする独立系SIerとして、日本を代表する大手企業や大手ベンダー、および官公庁と30年以上もの長きに渡り取引を続けてきた株式会社エクシーズ。長い歴史と顧客からの信頼を積み重ねてきた優良企業が、なぜM&Aを選択することになったのか。どうして、パートナーとしてファンリード社を、アドバイザーとしてレコフを選んだのか。創業者である浦上昭様と、譲受側の株式会社ファンリードの代表取締役社長、小林慶一様、経理財務部 部長、永井勇輔様にこれまでの経緯と現在、そして未来について伺った。

インタビュイーのご紹介

株式会社エクシーズ

顧問

浦上 昭

大学卒業後、ハードウェアのエンジニアとして従事されていましたが、先輩に誘われたことをきっかけにソフトウェアの会社を起業されました。その10年後、今後のIT業界を見据え、エクシーズを創業したのちに2023年8月に株式会社ファンリードへ当社を譲渡されました。

新しい仕事には
積極的にチャレンジし
成長を遂げてきた

Question

まずはエクシーズという会社の成り立ちからお話しください。

浦上(譲渡企業)

大学卒業後に中小企業のメーカーに就職し、ハードウェアのエンジニアとして仕事をしていました。ハードのテストプログラムなどを作っていましたが、「これからはソフトウェアの時代だから、一緒に会社を作ろう」と先輩に誘われ、1年で仕事を辞め、3人で起業をしました。実際にやってみるととても面白く、「確かにソフトウェアはこれから伸びるな」と感じました。実際に、時代の波に乗れたのか、そこから会社は順調に伸びていきました。

そして10年ほどが経過した頃、取締役だった私と社長との間で、経営方針に関する意見の相違が生じました。当時は大手メーカーに汎用機のエンジニアを派遣するビジネスが中心でしたが、やがて高価だった汎用機に変わって、もう少し安価なコンピューターが普及するだろうという予感があり、私はもはや“汎用機のエンジニアを派遣している場合ではない”と思うようになりました。今後のビジネスについて議論を重ねましたが、やはり経営の安定を考えると派遣型の方が良いという社長とは意見が割れていたのですね。

そこで転職を考え、準大手の企業に転職。福岡支店で働き始めました。仕事内容はCADに関連するもので、大手製鉄会社や住設会社に対し、自動的に作図するというシステムを作り、それが社内で評価され、転職後3年で営業所長に抜擢されました。営業の経験はなく世の中的にも不況でしたが、いろいろと試すうちに成果もあがり、東京本社への栄転の話がきました。うっすらとではありましたが、数年前から起業をしたいという思いを温めていたので、これを機に退社。41歳になったタイミングで、会社を作ることにしました。それが現在のエクシーズです。

本当は30代で起業したかったので、“少し遅れたな”とは思っていました。やはり、会社を作るならパートナーが必要だと考え、人材探しに時間がかかってしまったのですね。技術関係で信頼できるパートナーが見つかった段階で、今度は2人で1年かけて勉強会を行いました。そこでドラッカーの本を読んだりしながら、一緒に経営について学びました。そして経営理念の重要性を理解し、さらに会社を作るときに自分の息子などを一切入れないと宣言。本当に“良い会社を作りたい”という思いを持ってスタートしました。

当時、この業界においては相変わらず、比較的責任が軽く、経営の安定が図れる派遣型ビジネスが圧倒的に多かったのですが、私たちはあえてリスクを取り重い責任を背負って、一括で請け負い開発する仕事にこだわり、注力しようと考えました。とはいえ、スタートしたばかりの会社なので、人材も資金も乏しく、なかなか思うような仕事を受注することができずにいたものの、運の良いことに、前職でお付き合いのあった製鉄会社さんから最初の仕事をいただくことになりました。そしてその後にお仕事をいただいたのは、これもまた前職でお世話になった住設会社さん。前職での私が評価されたのかはわかりませんが、先方から仕事のお話をいただいたので、大変ありがたかったですね。

もちろん、その後も浮き沈みはありました。創業20年目に最高利益・最高売上を達成しましたが、当時、社員数は50名ほどで、パートナーさんは100名ほどいたため、マネジメントが行き届かなくなってしまい、その次の年にはあちらこちらで火を噴いてしまいました。そして、またそこからじわじわと業績が良くなっていくといった具合に、失敗しながら成長してきた企業という感じですね。

常に新しい仕事には積極的にチャレンジしました。当時の技術部長は、新しい技術に面白がって挑戦するタイプの人でした。私たちは企画から新しい技術を展開することができる会社になっていましたし、そこが評価されて多くの引き合いをいただき、今日まで成長を続けてきました。

営業担当と
プロセス推進担当の2名で
プレゼンをしてくれた

Question

M&Aを意識するようになったきっかけを教えてください。

浦上(譲渡企業)

60歳を過ぎた頃に病にかかり、仕事に対するバイタリティが低下してしまったこともあり、“このままではいけない”と考えるようになっていました。先ほども申し上げたように、子どもに会社を継がせるつもりはなかったので、私の中ではM&Aが良いのでは?という思いがありましたが、私の会社は事業の中長期計画なども含め、何事も役員で話し合って決めてきたという文化があり、役員全員で議論を進めました。議論の中で、M&A以外の選択肢としてMBOも考えましたが、ネックとなったのは株価評価と、その株を誰が買うのかということでした。その点も含めて役員と議論を重ねましたが、個人の負担が大きくなりますし、下手するといびつな利益の使い方(利益を株式買い取り資金の返済に充当する)になる可能性があるため、やはり難しいという結論に至りました。

役員全員が納得するまで議論した結果、M&Aの検討を進めようという結論に至り、その時はレコフではない別のコンサルタント会社にFA*を依頼することにしました。ところが、そのコンサルタントは、とにかく“成約させよう”という意欲が強く、相手先の会社ともうまくいかなくなったため中断。しかし諦めるわけにはいかなかったので、やり方を変え、今度はレコフ含めて5社の仲介会社に声をかけて、「どのようなやり方で成約に導くのか、そのフローをプレゼンしてほしい」とお願いしました。

Financial Advisor:仲介者と異なり、片側当事者(この場合は売手)のみに起用され、当該当事者の利益最大化を目指して案件を主導する役割。仲介者は双方に起用され、両者意向を調整のうえ案件を成約させることを目指すという点で役割に違いがある。一般に、中小M&Aでは友好的な関係の維持と円滑なプロセス推進が望まれることから、片側に就いて利益追求を図るFAではなく、両当時者の合意調整を第一義とする仲介者が起用されることが多い。

やはり最初に失敗した経験があるので、そこに何らかの問題があると思っていました。5社もあれば、やり方もそれぞれだと思ったので、それを比較検討した方がいいと考えたのですね。実際に比較してみると、確かに5社ともやり方に少し違いがありましたし、担当者から感じる熱意にも違いがありました。 そのプレゼンは役員全員で聞いて、多数決でレコフに依頼することが決まりました。決め手となったのは、会社というよりも担当者の熱意やプレゼンの分かりやすさ。なによりもレコフは営業担当とプロセス推進担当の2名で来られて、各々で得意なところをプレゼンしてくれたのは大きかったですね。他の会社は1人で来られているところが多かったですね。人数で決めるわけではありませんが、レコフは、営業的要素の方とその後の取り組みを進めてくれる方の2人でプレゼンをしてくれたため、信頼性が感じられました。

Question

ここからはレコフの担当者にも話を聞いていきます。2人で浦上社長にプレゼンした意図はどのようなものだったのでしょう。

生井(レコフ担当者)

最初にお声がけいただいた時には、前回の失敗について多くは語られませんでしたが、角度を変えて質問していくなかで、M&Aを進めていく上で後々発現するであろう論点を消化できていなかったことが原因だと感じ取れました。お話を進めるときにはスタートの0からクローズの100まであるので、後半の60あたりのことも事前に踏まえたうえで進めるということが、浦上社長が一番求めていることなのかなと思い、このような体制でお話をさせていただくことにしました。

浦上(譲渡企業)

残る役員や社員たちに安心感を与えたいと思っていました。やはり経営の母体が変わるというのは、誰もが不安に感じることなので、その不安を払拭しなければなりません。その為に、自分たちが事前に考えなければならないポイントはどこなのか、実現の為にどのようなプロセスを設計すべきなのか、そこに助言を頂けたことは有難かったです。私たちの業界は人材で持っているので、人がいなくなってしまっては譲受したパートナー企業も空振りになりますし、社員に対しても申し訳がありません。とにかく社員が納得することが一番大切だと思っていました。

シナジーが生み出せて、
お互いがハッピーになれる
お相手

Question

ここからは、譲受会社であるファンリードの小林社長、永井様にもご参加いただきます。まずは、事業概要からお聞かせいただけますか。

小林(譲受企業)

もともと3社が統合してできたIT企業です。システム開発やネットワーク、サーバーなどのインフラ、最近ではAIを使った取り組みなど様々なことを行っています。母体である太陽グループの仕事もしており、全体の4割ほどを占めています。製造業はITに詳しくない人が多いため、そういう人たちにもわかりやすく仕事を進めることを重視しています。
失敗するITプロジェクトには、事業サイドやユーザーを巻き込む点や、丁寧に説明するという点が弱いという特徴があります。私たちは、失敗してお客様に迷惑をかける案件をなるべく減らすことが大事だと思っています。特に太陽グループの仕事には失敗という概念がないです。なぜなら私たちは成功するまでトライし、やり続けるからです。
私たちはお客様の業務を理解して、システムがどのように使われているのか、今回の改修がどう関わっていくのかなどをしっかりと把握した上で取り組んでいます。ただ開発をするのではなく、そこまで理解した上で取り掛かることを大事にしていますし、この点は浦上社長も同じ思いを持っているものと感じています。

Question

貴社のM&Aに対する考え方についてお聞かせください。

小林(譲受企業)

上場会社のグループなので、発展していくことがとても重要だと考えています。また、エンジニアの採用が難しい時代のなか、どこのIT会社でも常にM&Aを検討していると思いますので、私たちも他社に先んじて着手してきたつもりです。
私たちは、純粋に人を増やすためのM&Aではなく、独特な強みがある会社や企業文化の合う会社を希望しています。また、製造業や行政など、IT導入のポテンシャルの高い組織を支援することを大切にしたいと思っており、それらの条件を各M&A会社に伝えています。

永井(譲渡企業)

金融機関も含め、私たちには20社ほどM&A会社とのネットワークがあります。そして私たちの方からざっくりとした条件を随時お伝えしていて、それに近いところやおすすめの企業などの情報をいただいています。とはいえ、皆さんが必ずしも、条件に合った情報を提供してくれるかというと、そんなことはありません。正直、空振りも多いですね。20社とのネットワークがあるので、年間で100件ほど見ていますが、そのうち7割ほどはノンネームシート(社名不記載の特定されない情報のみ記載された簡易的な概要資料)の段階で“違うな”と思い、お見送りの返事をしています。
なので今回、レコフからエクシーズのお話をいただいたときは、最初から明確に“ヒットしている”と思いましたね。最初はオンラインでレコフと面談しましたが、初回から私は力を入れてお話をしていました。“絶対に私たちを推してほしい”と思っていました。

生井(レコフ担当者)

ファンリードさんの熱意はすごく伝わってきましたね。また、会社の方針や検討背景がとてもクリアだったので私たちも分かりやすかったですし、浦上社長にお伝えするときも「どのような背景があって関心を持たれているのか」という回答がしやすかったです。その回答がクリアな方が安心もできますし、その後のイメージもしやすかったと思いますし、“この人たちが言っていることは本当だろうな”と腑に落ちやすかったとも思います。
実際にはファンリードさんのようにはっきりせず、もやっとしている会社も多いのが実情です。私たちとしても明確にお伝えしたいのですが、お客様の方から明確なお話をもらっていないのでお伝えが難しく、その点は私たちも正直もやもやしてる点です。浦上社長から「どのような背景でM&Aをするのか」と質問されても、それに対して明確に教えていただけなければ私たちもお答えできません。5聞かれているのにその中の1しか答えない、という会社もあるので、その違いは明確に出ると思います。

Question

ファンリード様とご一緒になるまで、どのようなご検討を進めたのですか。

浦上(譲渡企業)

M&Aをしたいと言ってきたのは大手の同業者が多かったです。ただ、知人から九州の社員を東京に連れて行こうとする同業者の企業があるなど、M&Aをした後のネガティブな話も聞いていました。なので、私は事業会社が主体となっている方がいいのではないかと思っていましたが、役員たちはどちらでもいいという感じでした。

初期的にノンネームシートでアプローチ頂いた後は、15社くらいの会社から関心があるので追加情報をお願いしたいという声がかかりましたが、IT系の会社が多かったです。ファンリードさんは母体が事業会社の太陽ホールディングスで、私としてはその中で一番興味を持っていました。最終的には5社程と面談し、各社からプレゼンもしてもらいましたが、小林社長のプレゼンが圧倒的にわかりやすかったので、“この会社いいな”と直感しました。

シナジーが分かりやすかったのですよ。やはり母体が事業会社なので、課題があってもIT企業としてサポートできるネタがたくさんあるのではないかと思えました。もちろん弊社の社員すべてが優秀というわけではなく、適材適所があります。私の経営に対する考えとして、一度雇った社員は会社が責任を持って食べさせていくべきと考えていて、どんな人でも職を与えるという責任が経営にはあると思っています。そういう意味でも事業会社と一緒になれば、社員の可能性も広がると思いました。 とはいえ、私一人の一存で決めるつもりはなく、決定は役員たちに委ねましたが、彼らも全員一致でファンリードさんだったので、すんなりと決まりました。

Question

やはり、ここでも役員と合意したうえで決めていくのですね。

浦上(譲渡企業)

そうですね。私は1つも要求を出していません。例えばファンリードさんよりも高く評価してくれた会社もありましたが、私は金額が高ければいいとは思っておらず、“シナジーが生み出せて、お互いがハッピーになれるところ”という視点で見ていました。また、株価は相手の評価なので、私が「これだけ欲しい」と言うものでもないと思っていました。

Question

レコフの担当者はどのようにサポートしたのですか。

生井(レコフ担当者)

正式に任せていただけるとなってから、まず“事業面と資本面、組織面でどういう状態が望ましいのか”ということを軸としたいくつかの項目を表にまとめ、それを浦上社長と役員のみなさんで検討していただきました。そこでみなさんの軸にズレがないことを確認してから進めることを提案しましたが、その進め方に特色があったと思っています。提案した背景としては、今回は浦上社長だけではなく、役員の方々も納得した上で推進する必要があると考えたからです。予め全員のご希望を共有いただき、意志統一と良し悪しを判断する軸の確定を詰めていただくことがポイントになると考え、先に整理いただいててからお話を進めました。プロセスが進行していった際も、時折その軸に立ち返り、軸に沿っているかどうかで判断していただきました。

浦上(譲渡企業)

M&Aはどうしても感情が先走りがちですので、“そもそもどうしたいのか”という論点の柱を作って整理し、M&Aの方向性を考えたことは非常に良かったと思っています。

生井(レコフ担当者)

最終的に意向表明書というオファーを出していただきますが、そこには聞きたいことが凝縮されるので、具体的にはそこに記載されるようなことを項目ごとに分解して、先に議論をしていただきました。内々で“こういう回答が返ってきたらいいな”というものを最初に持っておくことにしました。意思決定者が1人の場合はそういうものは作らない場合もありますが、今回は意思決定者が複数人いらっしゃったので、みなさまが振り返れるようなものがことさら必要だと考えて行いました。

浦上(譲渡企業)

それによって「最初にこう決めたよね」と振り返ることもできたので、とても良かったですね。役員の中には株を持っている人と持っていない人が混在していたので、そうすると利害関係も変わってきます。そういうことも含めて、レコフには丁寧に対応していただきました。

様々な場面で
丁寧に方向性を
示してくれた

Question

成約後の率直なお気持ちをお聞かせください。

浦上(譲渡企業)

肩の荷が下りて、ホッとしましたね。これまでも何度か会社が傾きそうになったこともあったので、1人で背負っているのが辛いと感じるときがありましたが、そういうものから解き放たれたという思いがありました。また、太陽ホールディングスグループという大きな器の中に入れてもらったということで、社員にとっても良かったと思っています。そういう意味でも、私はまったく後悔はありません。
3年ほどかけて、自分がいついなくなっても大丈夫なように権限移譲も進めていたので、M&Aが実った際はなるべく早期に退任したいと思っていましたし、希望も伝えていましたが、幾ばくかでも「残ってもらえないか」と声をかけていただいてやぶさかではなかったので、今は別の立場から貢献しています。
私自身よりもとにかく社員の気持ちが一番心配でした。ただ、小林社長とは経営に対する考え方や方針が近しい部分を多く感じていた為、安心しています。目に見えない不安はあるかもしれませんが、大きな問題は起きておらず、抱えていた不安も徐々に払拭していくのではないかと思います。

小林(譲受企業)

私たちにとってクロージング(M&Aの実行)はあくまで通過点に過ぎず、あるべき姿・目的を達成してゴールです。浦上さんに良いご報告ができるように、クロージング後にまた新しくスタートしたという感じですね。
教育すべきエンジニア像がとても近いので、組織の雰囲気や風土を大々的に変える必要はありません。会社は違いますが、雰囲気が近いので、組織の制度や内部体制も変わりません。その中で急速に変えていくのは、エクシーズが行っている案件にファンリードが入っていくことによって協同の案件を作っていくということです。エクシーズは東京のメンバーがそこまで多くないので、お客様から引き合いがあり、さらに多くのメンバーが必要となった際には、ファンリードのメンバーが入ることもあります。
また、エクシーズの案件にはAWSが必要なものがありますが、ファンリードにはAWSのチームがあり有資格者もたくさんいます。そしてAmazonのパートナーにもなっているため、技術サービスが受けられる状態なので、このチームがエクシーズの支援をするという体制を作りました。協働案件を培っていくことで、エクシーズとしてもファンリードとしてもたくさんの経験ができて、それが事業促進に繋がっていくと考えています。会社目線で見ても、拡大の機会が増えていくと見ています。
また、営業と採用について修正していこうと考えています。営業に関してはファンリードが持つ東京の情報と、エクシーズが持つ福岡の情報、例えばそれぞれのお客様からの引き合いを蓄積し、受けられるところを受けるようにして機会損失を減らします。
採用に関しては、エクシーズは福岡で採用を行っていて新卒も入っていますが、採用のリソースとしてはファンリードの方が多いので、それを活用してエクシーズがさらに人を採用できるようにしていきたいです。また、ファンリードは新卒採用だけでなく、様々なスタイルの採用活動を進めているので、それをエクシーズでも活かしていけたらと考えています。

浦上(譲渡企業)

エクシーズとファンリードは似ているところがありますね。一番難しいのは教育だと思っています。例えば、その人には水が必要だけれども、それを積極的に飲もうとするかどうかはその人次第、というように教育には難しさがありますが、しかしそれをやらなければ成長しません。私は教育をテーマにして3年取り組んできましたが、誰に何をするのかという具体的なことが一番難しいと感じていました。そういう意味でも、ファンリードというパートナーができたことは、会社としても安心しますね。私も、まだ顧問として期待されているところがあるので、できることは積極的に行っていきたいです。

Question

レコフの担当者はどのようにお役に立てたでしょうか。

浦上(譲渡企業)

レコフはプロセスがとても丁寧でした。例えば質問に関する答え方で「細かく答えた方がいい」「これは簡単に説明すれば大丈夫」など、様々な場面で丁寧に方向性を示してくれて非常に助かりました。仲介は難しい立場というイメージがありましたが、そういうものを感じることはなく、常に私たちの間に立って助言をしてくれました。

永井(譲受企業)

今回の取り組みを通して、私はレコフの強みを実感しました。まず、進め方がとても丁寧だったという点です。また、仲介会社の立場的にも、どちらかに寄った意見は出しづらいとは思いますが、それでもプロセスを丁寧に進めるということをとても重視されていて、とても素敵だなと感じました。それはクロージングの後も見据えてのことだと思います。プロセス中に変な遺恨を残すと、一緒になった後でやりづらくなりますが、そういうことが無いように、とても丁寧に寄り添ってくれているという印象を受けました。

小林(譲受企業)

永井の言う通り、クロージングを見据えた検討になっていたという点を高く評価しています。またどの案件に対しても担当者が2人付くということであれば、それはとても大事なことだと思いました。M&Aの仲介会社はたくさんありますが、1人で担当しようとすると、どうしても売り手の気持ちと買い手の気持ちがコンフリクトする場合があります。しかし担当者が2人いれば、売り手側と買い手側となってそこでディスカッションすることで解決策を導けることもあると思います。

生井(レコフ担当者)

今回の案件はみなさんのやりたいことがはっきりしていましたが、こういったM&Aはとても珍しいと思います。今回とてもスムーズにお話が進んだ理由もそこにあります。小林社長がおっしゃる通り、どこを落としどころにするのかというのはディスカッションで決まります。私たちも“唯一絶対“のない取り組みを進めているので、今回もご両者との協議の前に、毎回シミュレーションやロールプレイングを重ね、双方意向の確認と合意点の検討をおこないました。こうしたディスカッションが私たちレコフの一番の強みだと考えています。

Question

ありがとうございます。最後に、M&Aを検討している経営者に向けてメッセージをお願いいたします。

浦上(譲渡企業)

会社は商品と割り切った方がいいと私は思っていて、商品にはやはり、“売り時”があります。それは高く売ればいいということではなく、その商品が生き続けて中にいる人たちがハッピーになる、という両方を満たさなければなりません。商品という立場で考えると、株主にとっては最大価値の形で売ればそれがハッピーです。しかしそれだけが重要ではなく残っていく人たちがいるので、その人たちがハッピーであり続けるということを両方満たすという意味でも、M&Aは非常に良いツールだと思います。

小林(譲受企業)

M&Aはゴールではなく手段です。譲受側の目線で言うと、やりたいことが確定していてそれを一緒に助けてくれる会社があるのであればM&Aをした方がいいですし、それが無ければM&Aはしない方がいいですね。目指すゴールが何もないのに、ただやみくもにM&Aを検討するのはすぐに止めるべきです。本気でM&Aをやりたいのであれば、レコフのような専門家の力が必要ですね。

生井(レコフ担当者)

本件は誰かに押し付けられたのではなく、明確な目標をお持ちの方々が行ったM&Aでした。私が考える本件の特徴としては、役員の方々を含めて、インサイダーがあれだけいらっしゃる案件推進プロセスはなかなかありません。大体が社長の孤独な決断を推進するという形が多い中で、今回は前回の失敗があるという事情のもと、みなさんが全てのプロセスにおいて一緒に検討されたということで、私たちにとっても新鮮な進め方でした。だからこそ、私たちも方法を工夫して提案をして、採用していただけたのだと思います。
社長の中で決まっていることでも、敢えて役員のみなさまを交え議論をしてから進めていたので、「こうなるだろう」と思われていたことがたくさんあったと思います。反対に、浦上社長からすると「私の言う通りにしてほしい」と思うようなところもあるだろう、というのは私たちのディスカッションの論点としても何度も出てきました。この点に関しては、浦上社長の懐の深さ、役員や従業員への思いやりがとても大きかったなと感じています。
社長同士が直接お会いできる回数というのは一般的なM&Aではとても少なく、DD*前に2度会えたら多い方ですし、DDの中のインタビューでも数時間しか面と向かう時間がないことがほとんどです。その中で覚悟を決めていただくというのは、とても難しいことでもあると個人的には感じています。私たちも交渉の落としどころは見据え、成約後にご両社がどうなるかをイメージしながら助言させていただきましたが、最後はみなさんの度量の大きさや決断力が本件を成約に導きました。そして、私たちの助言がその後押しに役立ったと評価いただけたのならば、みなさまと同じところを見据えることができていたという意味で大変嬉しく思います。

Due Diligence・企業精査:対象会社の価値やリスクを適切に評価するために行う調査のことをいう。一般に、限られた開示情報を基に、双方当事者の間で取引に関する一定の合意がなされた後に設定される本格的調査とその期間を指す。デュー・ディリジェンスの内容は多岐に渡り様々であるが主なものとして、事業、法務、財務、税務、人事、不動産、環境などがある。

本件のアドバイザー

株式会社レコフ マネージング・ディレクター 
生井 寛尚

2005年レコフ入社、ソーシングからエグゼキューションまで一連のM&A業務に従事。M&A戦略立案支援、事業戦略におけるM&A推進の位置付けや実行に関する助言、統合型・カーブアウト型などを含む組織再編や事業選択の助言などを経験。

主な成約インタビュー

弊社でご成約されたM&A事例・実績をご紹介します。

選ばれる理由

  • 創業1987年の老舗イメージ画像
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    創業1987年の老舗

    レコフは日本にM&Aという言葉が広まる前から創業している歴史あるM&A助言会社で、豊富な実績がございます。

  • 業界トップクラスの成約件数実績イメージ画像
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    業界トップクラスの
    成約件数実績

    創業以来、1,000件以上の案件の成約をサポートして参りました。M&Aブティックの草分けとして様々な案件に携わってきた経験を蓄積し、新たなご提案に活用しております。

  • 約2万社の顧客基盤数イメージ画像
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    業界に精通した
    アドバイザーがサポート

    プロフェッショナルが業界を長期間担当し精通することにより、業界の再編動向、業界を構成する各企業の歴史や戦略、トップマネジメントの人柄に至るまで、対象業界に関する生きた情報を把握しております。

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