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M&Aにおける一般的な手順と流れ

M&A初級編

2024.05.14更新日:2024.05.14

人口の減少による国内市場の縮小と後継者不足の影響で、ここ数年、中小企業を中心に企業間のM&Aが急増しています。今回はM&Aを検討し始めた経営者の方のために、M&Aを行う意味や目的、M&Aの全体的な流れについて紹介します。また、M&Aを行うメリットやデメリットを買い手・売り手の両方の視点で紹介解説致します。

目次

M&Aとは

M&Aの意味

M&Aは企業の合併と買収を意味するMergers and Acquisitionsの頭文字をとったものです。一般的には2つ以上の企業の「合併」や「吸収」を指しますが、広義にはグループ化やホールディングカンパニー設立といった「提携」も含まれます。企業の存続や事業拡大を、資本の移動で解決するための手法です。

M&Aが行われる目的

M&Aの目的は、大きく次の3つに分かれます。1つ目が「事業承継」です。社内に後継者がいない場合にM&Aが行われます。2つ目は「新規事業」への参入です。自社で新たに部門を作るのではなく、すでに実績のある会社とM&Aを行うことでスムーズな事業展開を目指します。3つ目は、「経営再建」です。事業は残しておきたいけれど資金繰りに難がある場合、株式譲渡や事業譲渡といったM&Aスキームで資金を獲得し、経営再建を図ります。

M&Aのメリット・デメリット

買い手側

●メリット

買い手側のメリットは、事業拡大できる点や新規事業への参入がしやすくなるという点です。一から事業を始めるよりも安価な上、軌道に乗るまでの時間的コストもカットできることから早い成長を期待できます。売り手側企業が獲得していた市場や顧客、ノウハウも手に入るため、シナジー効果も望めます。

●デメリット

デメリットは、違う社風や文化を持つ会社が一つになる場合、共通した認識を持った新たな組織になるまでスムーズにいかないことです。例えば、その会社や事業部で働いている人の意識が同企業化するまで時間を要したり、経営者が変わることでルールが変更され、従業員の雇用契約を再締結しなければならなかったり、取引先に対しても新たに契約を結び直す必要性が生じたりなど、様々な手続き業務が発生します。また、かけた手間と資金に対し、想定していたシナジー効果が得られないこともあります。さらに、企業価値から算出される、のれん代減損のリスクもあります。業績不調や不祥事などが起こることで企業価値が下がると、その損失を計上しなくてはいけません。

売り手側

●メリット

売り手側には経営存続や経営基盤の盤石化などのメリットがあります。特に後継者がいない場合、M&Aを行うことで他社の経営層を呼び込めるため、適切な人材を経営層に充てられるでしょう。株式譲渡といった手段をとる際は、創業者利益を得られます。また、事業を譲渡することで個人保証の解除が可能です。その会社で働く従業員の雇用を守れる点もメリットです。経営者にとってやはり、従業員の雇用を守るのは大きな命題です。M&Aを行うことで、現場で働く人たちを守ることができます。

●デメリット

デメリットの1つは、買い手側と同様に異なる企業が1つになるのに時間がかかる点です。また、譲渡後の組織改革によって反発が生まれる可能性もあるでしょう。もう1つが、自社に合う買い手が見つかるとは言い切れない点です。M&Aを行う仲介会社などに入ってもらい、双方が利益を得られるような関係を構築できる企業とマッチングしてもらうのが良いでしょう。

M&Aの主な手法

株式譲渡

株式譲渡は、売り手企業が発行した株券を買い手企業に買い取ってもらうことで会社を譲渡する方法で、譲渡する割合は50%以上です。買い手側は株式を購入することで、経営権を取得します。株式の売買を介しているので手続きが比較的易しく、最も用いられている方法とされています。ただし、一事業の売却は不可です。株式譲渡には、公開買付(TOB)、市場買付、相対取引といった方法があります。

事業譲渡

事業譲渡は会社の事業ごとに売却する方法です。株式譲渡が会社すべてを譲渡するのに対し、事業ごとに細かく範囲を決めて行えるのが特徴です。そのため、売り手企業の会社自体は残ります。資金調達の手段としても使われる手法です。 会社をすべて譲渡しなくてもいい反面、事業ごとに手続きが必要となるため煩雑になりやすい面があります。また、競業避止義務があるため売り手企業は一定期間、同じエリア内で譲渡した事業は行えません。

会社分割

会社分割は社内の事業部を分割し、組織や資産を移転する方法で、株式を用いて移転が行われるのが特徴です。分割した事業を買い手企業の一部とする吸収分割と、新しい会社を設立して移転する新設分割の2種類があります。主にグループ会社の再編に用いられる手法です。

M&Aが実行される流れ

M&Aの目的や方向性を定める

売り手側も買い手側も、まずはM&Aを行う目的や方向性を定めるところからスタートします。目的を定めていないと、後々の交渉がスムーズに進まなかったり、不利な条件で契約せざるを得なかったりといったリスクが生まれてしまいます。

M&Aアドバイザーを決める

自社内の話し合いでM&Aが最適と判断したら、依頼するM&Aアドバイザーを決めましょう。自力でM&Aを行うこともできなくはないですが、M&Aには高度な専門知識と経験が必要になりますので、双方が利益を得られるような形で成約までもっていくのは非常に困難です。 アドバイザーを選ぶ際には、実績や経験、対応エリア、得意業界等を確認した上で、自社に合うアドバイザーを選びましょう。さらに、アドバイザリー報酬の発生タイミングも会社ごとに異なります。成功報酬がほとんどですが、中間報酬を支払う場合などもあるため、事前の確認は必須です。

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M&Aの戦略を立てる

自社の分析から始まり、企業価値評価や市場調査、候補となる企業へのアプローチなどを決めて進めていきます。この際、M&Aの予定を社内外に漏洩しないよう注意が必要です。特に売り手側になる場合、会社の形態が変わることを知られてしまうと、社員の流出や株価への悪影響などのリスクが考えられます。これらは依頼するM&A助言会社との機密保持契約を結ぶことで対策できます。

M&A先の選定と交渉

M&A先となる買い手候補企業を選定し、トップ面談を行います。トップ面談では、経営方針などについて話し合い、方向性を決めていきます。話し合いがうまく進まない場合は、アドバイザーに調整してもらいましょう。トップ面談を終え、買い手候補企業が具体的にM&Aを検討する段階になったら、買収方法や買収額といった条件が書かれた「意向表明書」を提示します。

基本合意の締結を行う

トップ面談を経て双方が納得できる形に落ち着いたら、基本合意書の締結を行います。基本合意書には、M&Aの手法、取引額、デューデリジェンス協力(買い手側が売り手を調査すること)、独占交渉権などが書かれています。従業員の意向を聴かなければならない項目がある場合は、限定的にM&Aの情報を解禁して合意書を作成します。ただし、デューデリジェンスが行われた後にM&Aを行うかは判断されるため、基本合意書に法的拘束力はありません。

買い手側によるデューデリジェンスを実施する

デューデリジェンスとは、買い手側の企業が売り手側の企業に行う企業調査のことで、所有不動産の価値をはじめ、法務や財務などあらゆる面から調査します。買い手側は売り手側の利益だけでなく負債も引き継ぐ必要があるため、簿外債務や社内で起きているトラブルなどのリスクの精査を徹底的に行います。デューデリジェンスの結果が出たら、実際にM&Aを行うかが決定されます。

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監修者プロフィール

株式会社レコフ リサーチ部 部長

澤田 英之(さわだ ひでゆき)

金融機関系研究所等で調査業務に従事後、政府系金融機関の融資担当を経て2005年レコフ入社。各業界におけるM&A動向の調査やこれに基づくレポート執筆などを担当。平成19年度農林水産省補助事業、食品企業財務動向調査委員、平成19年度内閣府経済社会総合研究所M&A究会 小研究会委員。著書・論文は「食品企業 飛躍の鍵 -グローバル化への挑戦-」(共著、株式会社ぎょうせい、2012年)、「データから見るIN-OUTの動向 -M&Aを通じた企業のグローバル化対応-」(証券アナリストジャーナル 2013年4月号、公益社団法人 日本証券アナリスト協会)など。

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