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M&A初級編
M&Aをスムーズに成約させるには、専門家の適切なサポートが不可欠です。今回はM&A仲介サービスの特徴や、M&A仲介サービスを利用するメリットをご紹介します。合わせて、混同されがちなM&A仲介サービスとFA(ファイナンシャルアドバイザー)の違いもまとめました。
M&Aの検討から交渉、成約までの流れを専門知識でサポートしてもらえるのは大きな強みです。M&Aを成約させるには、さまざまな専門知識が必要で、法務や税務の知識に加え、会計や経営に関する知識も求められます。M&Aアドバイザーに依頼すれば、わざわざ自分たちで専門知識を調べて交渉に臨む必要がありません。
また、M&Aは金銭や事業の独立性が大きく関わってきます。お互いの利益を主張してばかりでは、交渉決裂は避けられません。M&Aアドバイザーは、両者の利益バランスを考慮し友好的なM&Aをサポートしてくれる存在です。第三者の立場で、両社の利益バランスを考慮しながら取りまとめてくれるので、よりスムーズなM&Aが実現できます。
M&Aアドバイザーへ相談することで、条件に合う買い手を効率よく見つけることができます。M&Aアドバイザーは、独自の情報網をもとに売り手と買い手とを結び付けるネットワークを構築しています。その結果、貴社の条件とマッチングする買い手候補を紹介してもらいやすくなります。
M&A仲介サービスにかかる費用には、大きく分けて「着手金」「リテイナーフィー」「成功報酬」の3つがあります。一体、どのような費用なのでしょうか。
文字通り、M&Aを始めるにあたってM&A助言会社へ支払う費用です。着手金の相場は、100~300万円くらいで、着手金を一度支払えば、M&A成立の可否に関わらず返金されないのが一般的です。また、M&A助言会社によっては、着手金が発生しないところもあります。
リテイナーフィーとは、M&Aが成約するまでアドバイザーへ毎月支払う月額報酬です。着手金と同じく、リテイナーフィーが必要な会社と不要な会社があります。契約前には忘れずに確認しましょう。
M&A成約時に、アドバイザーへ支払う報酬です。M&A仲介の成功報酬は、「レーマン方式」と呼ばれる体系で算出されるのが一般的です。これは、一定の料率と取引金額をかけて金額を算出する方式です。料率は、取引金額が5億円以下であれば5%、5億円以上10億円以下であれば4%となります。
M&A仲介とよく比較されるのが「FA」です。
両者が持つ最大の違いは、それぞれが置かれている立場にあります。
FAとは「ファイナンシャルアドバイザー」の略称です。M&Aにおける売り手または買い手どちらか一方から依頼を受け、M&Aのプランニングやマッチングなどのサポートを行ないます。依頼主の利益を最大限に引き出す役割を担っているため、中立的な立場にいるわけではありません。手数料や成功報酬は、依頼主のみから受け取ります。FAは特に「上場企業同士」あるいは「海外企業」とのM&Aで活用される傾向があります。その理由として、株主総会などで株主に対して、利益の最大化を目的としたM&Aの妥当性を説明するためです。
<FAの主な業務内容>
・相手企業との交渉戦術の立案
・交渉サポート
・交渉代理
・買収及び被買収価格のアドバイス
・基本合意書や最終契約書の草案の作成 など
売り手と買い手の間に立ち、両者の要望を擦り合わせて成約を目指すのがM&A仲介アドバイザーです。FAがどちらか一方の依頼を受けてサポートを行うのに対し、仲介アドバイザーは売り手と買い手の両者から依頼を受けます。成約したら、両者から成功報酬を受け取ります。「買い手」「売り手」の間に入り、「中立的な立場」を取りますので、それぞれの要望や利益のバランスを考えながら、M&Aを成功させる「着地点」を提案します。FAは「どちらか一方をクライアントに持つ立場」で、M&A仲介アドバイザーは「両者をクライアントに持つ立場」だと覚えておくとよいでしょう。
もし、あなたが売り手であれ、買い手であれ、本業である経営や業務に支障をきたすことなく、第三者からの専門的なアドバイスを受けてスムーズにM&Aを実現させたいなら、助言会社に依頼するのが賢明です。しかし、複数ある会社からどのようにして選べば良いのでしょうか?M&A助言会社を選ぶ際のポイントをご紹介します。
M&Aに必要な費用は、助言会社によって異なります。たとえば着手金が必要か不要か、リテイナーフィーが必要か不要かなどです。とくに着手金は、M&A成約の可否にかかわらず返金がないのが一般的です。仲介会社を選ぶ際は、着手金の有無を基準に探すのもひとつの手です。成功報酬の算出方法は助言会社によって異なるケースもあるため、事前確認は忘れずに行いましょう。
仲介会社がどのような種類の案件を取り扱っているのか、どのような規模の案件を専門としているのか確認しましょう。中小企業のM&A仲介を得意とする会社、大企業同士のM&A仲介を専門にしている会社など、それぞれの得意分野があります。あまりにも規模やジャンルが合致しない会社に依頼してしまうと、思うように契約が進まない可能性があります。
レコフは、日本のM&A草創期である1987年の創業以来、
国内外における大小さまざまな規模の、数多くのM&Aを提案・実行してきました。
日本の上場企業は3,500余社を数えますが、創業以来その9割を超える企業と接触。
未上場企業を加えると、これまでに関わった企業は20,000社を超えます。
こうした実績と企業とのネットワークが新たなM&Aのマッチングにも活かされます。
大手の助言会社であれば、1人の担当者が複数の案件を持っているケースが多いもの。報酬額が高い規模の大きい案件、成功率が高い案件から先に進められた際、報酬額の低い案件が後回しにされる可能性があります。くわえて、抱えている案件が多すぎてひとつの案件に十分な時間を割けないとなれば本末転倒です。担当者がどれくらいの案件を抱えているのか、キャパシティと貴社の優先度の兼ね合いは取れそうかなど、必ず確認しましょう。
公式HPから、過去の取引事例や成約事例を確認するのも大切です。類似案件の成約事例があれば、その助言会社を選ぶ十分な指標になるでしょう。十分な取引事例・成約事例があっても、貴社の案件とあまりにもかけ離れたジャンルの事例であれば成功の見込みは低いといえます。
M&Aには税務や法務など、さまざまなジャンルの知識が必要です。M&Aのサービスを依頼することで、知識面をカバーできスムーズに成約を目指せます。くわえて、買い手とのマッチングや双方の要望のすり合わせが効率的に進むのも魅力です。貴社に合った助言会社を探すことが、M&Aサービスを依頼する第一歩だといえます。
レコフでは、経験豊富な社員が案件担当責任者となり、
財務・会計・法務に高い専門知識と経験を持つ
専門家も加わってチームで案件をM&A実現を推進します。
また、M&A対象業界にも精通しており、
業界の再編動向、各企業の歴史や戦略、企業トップの人柄まで、
あらゆる知見を駆使したM&A案件作りを得意としています。
監修者プロフィール
株式会社レコフ リサーチ部 部長
澤田 英之(さわだ ひでゆき)
金融機関系研究所等で調査業務に従事後、政府系金融機関の融資担当を経て2005年レコフ入社。各業界におけるM&A動向の調査やこれに基づくレポート執筆などを担当。平成19年度農林水産省補助事業、食品企業財務動向調査委員、平成19年度内閣府経済社会総合研究所M&A究会 小研究会委員。著書・論文は「食品企業 飛躍の鍵 -グローバル化への挑戦-」(共著、株式会社ぎょうせい、2012年)、「データから見るIN-OUTの動向 -M&Aを通じた企業のグローバル化対応-」(証券アナリストジャーナル 2013年4月号、公益社団法人 日本証券アナリスト協会)など。
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