奈良県のM&A・経済近況
総人口は2000年をピークに、2017年には約134万人となり、今後も人口減少が続くとみられています。産業横断的に見て、製造業と宿泊・飲食など観光関連サービス業の両輪で外から稼ぐ産業構造を有しています。食料品製造業、家具・装備品製造業、なめし革・同製品・毛皮製造業、業務用機械器具製造業、電気機械器具製造業などの製造業の重要度が高くなっています。
奈良県のM&A事例
奈良県のM&A件数 – 2022年
2022年の奈良県のM&A件数は13件と過去最高でした。
内訳(買手-売手)は、地域内-地域内 2件、地域内-地域外 2件、地域外-地域内 9件 でした。
M&Aトピックス
奈良県の企業が買い手となった特徴的なM&A案件を、年度別にピックアップしてご紹介します。
2018年
ナント6次産業化サポート投資事業有限責任組合/ポタジエ
南都銀行が出資し、南都リース(奈良市)が運営するナント6次産業化サポート投資事業有限責任組合は、野菜などフリーズドライ、真空乾燥による固形具材製造、販売のポタジエ(和歌山県紀の川市)に資本参加した。4500万円で株式を取得した。同社は農産物生産の農業生産法人王隠堂農園(奈良県五條市)、同業のパンドラファームグループ(同)、カット野菜・袋サラダなど加工卸のオルト(和歌山県紀の川市)により2014年7月に設立された6次産業化事業体。国産野菜などを主原料とするほか、工場を新設・運営し、競合他社との差別化を図っている。同組合の第1号投資案件となる。
南都銀/奈良証券
南都銀行は、奈良証券(奈良県大和郡山市)を買収する。既存株主から株式を取得し、出資比率数%から完全子会社化する。同社は従業員約30人。南都銀行は証券業務に参入する。顧客基盤やノウハウを融合させ、グループ機能を強化することで、幅広いソリューションを提供する。
協栄製作所/サンロックオーヨド
日東精工は、子会社で工業用ファスナー部品製造、販売の協栄製作所(奈良県五條市)を通じて、三菱商事と双日の共同出資会社であるメタルワン(東京)の子会社で冷間圧造用鋼線など製造、販売のサンロックオーヨド(大阪府泉大津市)からねじ製造、販売事業を11月30日付で譲り受ける。対象事業は売上高5億4000万円の模様。日東精工は2016年に協栄製作所を買収し、小径ねじから太物ボルトに至る幅広い製品の供給体制の構築などの事業シナジー効果を創出してきた。自動車業界へのシフトを強固に進めるため、多用される太物ボルト類のラインアップを揃える。製品供給能力、営業基盤の拡大を図る。
2017年
2016年
クオリカプス/ジェニックスインドゥストリアファルマセウチカ
三菱ケミカルホールディングスは、孫会社で医薬品、健康食品用ハードカプセル国内トップのクオリカプス(奈良県大和郡山市)を通じて、ブラジルの同業のジェニックスインドゥストリアファルマセウチカ(Genix)を2015年12月28日付で買収した。CEOのJulio Tanaka氏から全株式を取得した。一部報道では金額は50億円程度。同社はブラジルに拠点を有する大手製薬メーカー、健康食品メーカーにハードゼラチンカプセルを供給している。同国で5割以上のシェアを持つ。クオリカプスとは、同社子会社のハードカプセル製造装置、技術を活用してきた経緯がある。クオリカプスは中南米医薬品市場への製造・販売拠点を獲得する。
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